どうして閉店するんですか?の件


深夜に目が覚めてしまったので、
ちかごろ訊かれることランキング上位の「どうして閉店するんですか?」の件について書いてみようと思う。

「どうして閉店するんですか?」

うーん、まあ、お金なくなったから、てのはあるんだけど、それはまあ結果であって理由ではないと思うので、、

(1)おもしろい漫画が出なくなった
(2)Airbnb(民泊仲介サイト)のシステムがそぐわなくなった
(3)あきた

ほかにも色々、思い当たることはあるんだけど、
たぶん上記の3つが主軸で、ほかは派生的だったり枝葉なんだと思うので、端折ります。

(1)おもしろい漫画が出なくなった
ちかごろ僕を知った人は、知らないかもしれないけど、このお店は元々マンガが主軸のお店で、サブコンテンツとして、あるいはお金を得る手段として、珈琲、お酒、音楽、たまに野菜・畑関係、とかがあったのですよね。
元々僕は10年間ヴィレッジヴァンガードというところに勤めていて、まあいろいろ好きなんだけど特に漫画が好きで、そんでまあ、独立もうっすら考えながら働いてたころ、漫画の絵って、表紙絵ってすごい力あるなあ、いちめん漫画の表紙絵で飾られた店とかあったらたぶんすごいパワーあるなあ、とかいう想いはあって、そんなときたまたま水道橋に行く機会があって、そしたらたまたまジャンプショップがあって、フラっと入ったらなんか似たようなことをやっている。漫画の絵を見せている割合が普通の本屋より強くて、まあでも僕のイメージしてたヴィジョンよりは弱い。このていどで水道橋のドーム前とかで店やって成り立つんだったら、僕のもできるなあ。と思いました。
そんでまあすぐに独立したわけじゃないんだけど、なんかヴィレッジ合わなくなって来たんでやめて、半年くらいフラフラして、それで今のお店をはじめました。ヴィジョンは出来てたから、形にするのはカンタンだった。(物理的作業量としてはカンタンではないですが・・)
それでまあ、僕の好きな漫画とか置いて、人に知ってもらうということに喜びを感じてたんだけど、、思想の伝播、というヤツですね。。
なんかこう、最近は、ここ2年くらいは、僕の好きな漫画が出なくなって来ちゃった。それもだんだん、、という感じで、、そういう流れなんだな、という感じ。
まあ僕の好みというのは、知性とか、深みとか、人間ドラマ的な心の広がりとか、奥行きやスケールのあるもの、時代に挑戦しているもの、そして何より作家さんのスピリットを感じるものが好きで、、なんかそーゆーのが出なくなっちゃった。あんまり。これは2年ほど前にスペリオールが「鬼死ね」などを打切りにした頃が、いま振り返れば1つのターニングポイントだった気がします。まあそれも流れの中のことなんですけど。
まあ、結局ぼくのお店は「漫画のお店」で、、
「ビジネス」になるほどコンテンツ化できるものは「漫画」だけ、ほかのもの、音楽や自然栽培に今は興味があるけど、そちらをビジネスになるほどコンテンツ化する能力はないので、、
「おもしろい漫画が出なくなった」からやめる、これがたぶん最大のキーなんだと思います。

というわけで、つぎは二次的なことですが、、

(2)Airbnb(民泊仲介サイト)のシステムがそぐわなくなった
まあ喫茶店だけだと儲からない、やってけない、自家焙煎も豆売りもしないでやってけるワケない、んじゃどうしよう、と始めたのがゲストハウス部門です。これを始めるときには、お客さんとかに「喫茶店だけだと儲からないんだけど、どうしよう?」と相談してみて、「シェアオフィス」という返事と、「ゲストハウス」という返事があり、迷わず後者を選びました。「どうしよう?」と聞くのは、アイデアを求めてるようでもあるけど、タイミングを見てるんですよね。「ゲストハウス」とか、自分でも元々考えてるわけですけど、お客さんに聞いてみて、そういう声が上がった時が、きっといいタイミングだと思うので、、。喫茶店というのは「情報センター」としての機能があって、採算性は低いけど、お客さんが勝手に情報を持って来てくれる。その情報を使って、採算を取る方法を探す。というのは、開店前からウスボンヤリ考えてました。だいぶんボンヤリですけど。
そんでまあ2階をゲストハウスにして、しばらくしたらまた、来た人がAirbnbという民泊仲介サイト(当時は民泊なんて言葉なかったですけど、、)を教えてくれて、、めんどくせーなあ、、と思いつつ登録したら、客がバンバン来るようになった。そのおかげで、2年前、2015年の秋に黒字転換しました。(ふふふ。おかしいですね。なんでこれで金なくなったんかなあ。)
当時のAirbnbというのは僕の性質にすごく合っていて、自由な気風とハートフルな心を持っていたんですよね。お客さんも知性や優しさや冒険心のある人が多くて、ベッド組立てるの手伝ってくれたり、僕も知らないようなこの辺のおもしろいこと、大野一雄スタジオとか、教えてくれたりしました。いっしょにYoutubeで音楽教え合ったり、ほんと楽しかったなあ。Airbnbの対応もすごく良くて、ちょっとお客さんとトラブルあったとき有ったのですけど、その解決のための対応がすごくハートフルで優しくて、、ああ、すごいなあ、この規模の組織でこういうハートのあることができるってすごいなあ、、と、、かつて大きくなって性質の変わってしまった組織にいたので、、この大きさでまだ優しさを持てるってすごいなあ、、と。思ってたんですけどね。
なんかこの1年〜2年くらいでAirbnbはすごく変わってしまった。最初に違和感を感じたのは2年前くらいで、「イビサでホストを集めたパーティーをやります!よかったら来てね」的なメッセージが来て、おいおい、イビサって、、なんか僕の趣味と合わないんですけど、、というか君たちの性質ともちょっと違うんじゃ、、大丈夫かな、、と思ってたら、あとでそんときの、、いや、やめっか。そういう話はいいか。。まあ、そのころから段々「あれ?」と思うようなことが散見されるようになって、そういうのが段々ふえてきて、来る宿泊客もおもしろい人の比率がだんだん下がって行って、カスタマーサポートの対応もだんだんハートがなくなり知性も衰え、、
とどめは昨年の10月ごろ、「な〜んか最近、予約が減ってるな〜(まあサボってるからかな?)」と思ってチェックしてみたら、システムが告知なく変更されていて、僕のスタイルの運営だと、検索上位にひっかかりにくくなっていました。そんときは修正してちょっと持ち直したんですけど、、あー、こりゃこんなことがあるよーだと、これからも付き合ってくのキツそうだなー、、やめっか。と思って、やめることにしました。
まあ、これはやっぱ二次的なことで、たぶん(1)がなければ、もうちょっとやる気出して、ほかの仲介サイトに登録したり、手を打つと思うんですけど、なんかそこまでやる気もなかったんで。
Airbnbにはすごくお世話になったし楽しませてもらったし、感謝もしているので、変わってしまったことを責める気持ちはあまりないです。仕方ないというか、、やるせないですね。
まあそんなわけで、「Airbnbのシステムがそぐわなくなった」ので、ゲストハウス部門はやめることにしました。そうするとうちのお店は採算が取れなくなるので、お店は閉まることになりました。

Airbnbやってて嬉しかったことは色々あったのですけど、とくに嬉しかったのは、
タトゥーばりばりに入った金髪のデカい姉ちゃんたちが二人で泊まりに来てて、おお、こえー、なんかすげー人たち来たな、と思ってたら、
あとでレビューを見たら、

「横浜に隠された宝石(hidden gem)を見つけた。家は一面マンガで埋め尽くされ、日本家屋特有の雰囲気も素晴らしい。ここまでのものを作り上げた労力と情熱を思うと、畏敬の念を抱かずにはいられない。」と英語で書いてあって、

「ああ、わかってくれてんなあ、、」

と、目頭が熱くなりました。

hidden gem、っていいよね。

・・・

(3)は、まあ、あきた、は、あきた、ってことで。


朝になったので終わり!





(2017年5月5日閉店予定です。喫茶部門の通常営業は行っていません。)

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by toshiokake2 | 2017-05-02 06:24
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