親父


親父が中華屋の前を通ったとき、
店の前に自販機があるのに憤慨していた記憶がある。

「なにをかんがえちゅうがよ?店の前に自販機らぁ置いたらいかんろう!」となにやら急に怒っていた。なにがなんだかわからなかった。何かで禁止されてる悪いことなのかな?と思って訊いたけど、違うと言うし、よくわからなかった。親父は「おう、言うちゃろう」と店に入って、たぶん何か注文したかしなかったか、親父は、「店の前に自販機置いちゅうねえ。売れるかえ?」とか、今度はソフトにそれとなく店の人と話していた気がする。店の人は、「まあぼちぼちよねえ」とか「けっこう売れるがよ」とか、ややポジティブな答えをしていた気がする。

店を出たあと親父は、「飲食店が自販機置いて売れるゆうて喜びよったらいかんと思うがにゃあー」とか言っていた気がする。たぶん「店の前に自販機を置くと、飲み物目当ての客が減る」とか、そんな理由なのかな?と思った。でも、なんで知り合いでもない人の店をそこまで気にするがやろう?と思ったし、わざわざそれを言いに店に入るろうか?・・と思った気がする。

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親父は高知市内を車で運転しているとき、対向車に知り合いがいると、「お?!どこどこのだれだれや!」と独り言を言って、窓を開けて、「おい!おいおーい!」と声をかけていた。同乗している僕はなんかよくわからん光景やな、といつも思っていた。

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テレビの天気予報で台風が来るというニュースを見ていた。
親父は、「俺らあ台風くるかもしれん言うても、市内に住んじょったらもうそんな大したこたぁ無いき、あんまり気にせんもんにゃあ。久礼のもんらあは『台風来るかもしれん』言うたらみんなあテレビの前にかじりついちゅうきねえ。」と言っていた。

親父は高知県の田舎の漁師町、久礼の生まれ育ち。当時は高知市内に住んでいた。
僕は久礼生まれだけど、子供時代から高知市内育ち。13歳から横浜。

僕は車を運転していても対向車のドライバーの顔は見ない。



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by toshiokake2 | 2016-03-11 16:52 | Notes
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