発表:へそくん読んでみて面白かった大賞

先日のイベント「本を読まなくなったへそくんに 本をススメてみる」の大賞発表です。

発表:へそくん読んでみて面白かった大賞

【審査対象作品】(順不同)
・えーえんとくちから 笹井宏之(選者 ソントンさん)
・青春と変態 会田誠(花田さん)
・老師と少年 南直哉(Tweed Booksさん)
・クラウド・コレクター クラフト・エヴィング商會(しんじさん)

【大賞】
・えーえんとくちから 笹井宏之(選者 ソントンさん)

「えーえんとくちから」は、現代の歌人・笹井宏之さんの短歌集で、いずれも短い歌のなかから情景が立ちのぼり、広がり、そうした景色をみたときにえられるであろう心もちまでも読み手の私にも持たせてくれました。
「老師と少年」は、思い悩む主人公が、しかしそうして悩み考えているのは自分一人ではないのだ、と気づかされたことの示されるシーンがすばらしく、ハッとさせられ、安心させられました。
「クラウド・コレクター」は、その世界がパラパラと読み手にふりそそぐような本で、「不思議の国のアリス」や五十嵐大介さんの漫画作品のようでした。
「青春と変態」はもう、しょーもないですね。マンコという言葉をこんなにメジャーな人の小説でこんなに連呼して良いんだ、となにか安心しました。(でもエッチな作品ではありません)

最初は、「えーえんとくちから」がとびぬけて優れていて、大賞はこれだろう、と思っていたのですが、「青春と変態」が日ごとにだんだんとわたしの頭を占有し始め、どっちを大賞にしよう、とずっと迷っていたために、発表の遅れたことをお詫びいたします。
迷っていた理由は、「美しい」のはやはり「えーえんとくちから」なのですが、同時にその美しさは「死」に近いもののように感じたからです。その美しい世界に酔うことはまた、すこし「死」に近い方へ歩いて行ってしまうような怖さがありました。
それに対して「青春と変態」は「死」の影などまったくなく、「生」のエネルギーにあふれています。そしてまたこの同時代をともに歩いて行ってくれているエネルギーのようなものを感じました。これからの自分の人生に必要なのはこのエネルギーの方かもしれないな、と感じるようになっていきました。
それでもやっぱり「えーえんとくちから」もすてがたく、どっちにしよう、今日はこっちがいい気がする、きのうはあっちが良かった、と毎日こまっていたのですが、いいかげん決めよう、というときに決め手になったのは、「えーえんとくちから」のこの歌でした。



真水から引き上げる手がしっかりと私を掴みまた離すのだ



選者の皆さん、いずれもよい本をご紹介いただきありがとうございました。
よかったらまた、あそんでください。

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by toshiokake2 | 2014-12-02 19:45
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